今年も始まった関東サッカーリーグ。

今シーズンはJFLから2チーム降格してきたにも関わらず関東2部へ降格したチームが無いという構成の関東1部なのだが、資金力があったり元Jリーガーを抱えていたり確かな実力があったりするチームばかりで、巷では「地獄の関東1部」と呼ばれるほど。どこが優勝するかわからないし、どこが降格してもおかしくないという非常に魅力的なリーグの中でつくばFCは戦っていくことになる。

そんなジョイフル本田つくばFCのフォーメーションは3-1-4-2という超攻撃型のそれ。キーパー小笠原、最終ラインは左から三森、山崎、堀之内でボランチに深澤。中盤は左から諸井、冷岡、中里、坂場という並びで渓太と三角の2トップという形。対する那須はウィングを置いた4-3-3で、つくばFCのフォーメーションに当ててきたのかどうかは不明だが普通にみればフォーメーションの相性はかなり分の悪い形に。が、始まってみれば那須のメインウェポンと思われる右ウィング10番のサイドアタックを見事にセンターバックと諸井が封じるという上々の立ち上がりを見せる。

3-1-4-2というとユヴェントスのピルロシステムが有名だが、ピルロ役を深澤が演じるとは思えないのでどうするのかと思ったら、どうやら早いタイミングで冷岡と中里にボールを預けて起点を作って殴るという作戦らしい。ユヴェントスとは逆に、つくばFCはピルロのポジションに深澤という守備職人を、その前列に冷岡と中里という攻撃的な選手を配置するという逆ピルロシステムを採用しているんじゃないかと。これ、なかなか面白いじゃないか。

そんな逆ピルロシステムが前半15分に中里の強烈ミドルという形で効果を見せたかと思ったら、その2分後に冷岡からボールを受けた中里が再び強烈ミドルを放ち、こぼれたボールを三角が蹴り込んでゲットゴールに。良い形での先制。

一方、つくばFCの守備は3バックなのだが、安易に5バックを敷かずに枚数を増やしたいときには深澤を落とすという対応を見せる。あくまでサイドは攻撃の駒として使うというメッセージが込められている訳だけど、この超攻撃型戦術、なかなかカッコいいじゃないか。その後も攻め続けるつくばFCは直後の17分に1点目と似たような形でこぼれたボールを冷岡が押し込んで追加点。その後も一方的に攻め続けると冷岡の技ありループシュートが決まって前半25分ほどで3-0となり、この時点で試合をほぼ決めてしまう。前半30分以降は完全に試合の流れを握って離さないつくばFC。

後半に入っても攻撃の手を緩めないつくばFCはハイプレスという武器を追加で投入。するとこれもすぐに効果が表れ、高い位置でボールを回収して握って離さないという展開に持ち込んでいく。後半59分には小笠原からのロングフィードに反応して抜け出した三角を那須ディフェンダーが決定機阻止のファウルをしてしまい一発レッドで退場に。このファウルで得たフリーキックを坂場が蹴り抜くとボールは勢いよくゴールへ吸い込まれて4点目。坂場が超嬉しそう。

1人退場者を出した那須は4-4-1のブロックでつくばFCの攻撃を受けようとするが容赦する気配を微塵も見せないつくばFC。ひたすらに殴り続けて那須がやっとの思いで掴んだカウンターのチャンスも「つくばの壁」山崎大成がキッチリ防ぐ。

後半60分過ぎには三角に代えて慎梧、中里に代えて小泉を投入する。2人ともハイプレス要員として投入されたようで、がむしゃらに走り回ってハイプレスを仕掛ける。その後交代枠の5名全部を攻撃要員として使いながら殴り続けて試合終了。

開幕戦を最高の形で勝利したつくばFC。試合後キャプテンの玄太から「スーパーな選手はいないけれど全員の力でがんばります」というコメントが。スーパーな選手はいないけど、3-1-4-2という超攻撃的サッカーは非常に魅力的に見えた。これを貫き通すのかどうかは今後の展開次第だが、この調子で全チームを殴り倒して頂きたい。

桜は散ってしまったけれど、つくばFCの勝利が観れて最高の週末となった春の夜でした。  
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サッカーチーム「ジョイフル本田つくばFC」(関東サッカーリーグ1部)および「つくばFCレディース」(プレナスチャレンジリーグ)の応援団・サポーターグループです。
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